N E W S

 COMPOSER 
YASUZUMI

TOKUBI

 

 六月に学校がはじまりましたが、コロナがなかなか収束しない中、厳しい日々が続いています。
 演奏会などは、少しずつ再開していますが、ソーシャルディスタンスとかいうので、収容人数が少なく、ヘタをすれば赤字のオンパレードになりかねない日々。
​ ネットで配信するなどの工夫もあれこれ試みられておりますが、やはり実演で聞いていただくに越したことはなく…。
 こんな中、大変意欲的なコンサートが企画されています。

 年末年始は、またまた無伴奏作品に引き続き取り組んでいますが、なかなか心の落ち着く情勢にはないのは、実に残念なことです。
​ 一日も早く、世の中が落ち着き、人々が延び延びと仕事に打ち込める、穏やかな社会が来ることを、心から祈っています。

E V E N T S​

Jan

23

新春演奏会
2021年1月23日(土)第1部15:00 開演

2021年1月23日(土)第1部19:00 開演
横浜市青葉区民文化センター フィリアホール
神奈川県横浜市青葉区青葉台2-1-1 青葉台東急スクエア South-1 本館 5階

料金3.000円

無伴奏ヴァイオリンのための三章が初演 

2010年に初演した私のヴァイオリン協奏曲の初演に向けた練習の中で、その初演の独奏を担当してくれた福富博文氏から委嘱されたのが無伴奏ヴァイオリンのための四章でした。

以来、一年以上にわたって精魂傾けて作曲したこの作品は、彼の突然の手の故障などにより、延び延びになっていたのですが、昨年3月、奈良の自宅のマンションでその福富さんが亡くなっているのを発見され、全てが無に帰したのでした。

この曲をどうするか、しばらく考えられずにいたのですが、その数日後、私は松本紘佳さんという若く素晴らしい才能に出会ったのでした。

鎌倉女子大学二階堂学舎、松本尚記念ホールでのコンサートで、私の作曲したラメントが彼女のヴァイオリンによって演奏されたのでした。

その時のことは、今でもよく憶えています。福富さんの死の知らせの衝撃の中、この出会いは、運命のように思われたのです。

その日から、この福富さんのために書いた無伴奏作品を、彼女のために仕立て直しをすることにしました。

10年前から、自分の音楽のスタイルが、わずかながら変化していることもあって、なかなか手こずり、特に第2楽章は遅々たる歩でしたが、一年半ほどかけて、ようやく完成。フーガ楽章をカットし、全3楽章にし、10分ほどの曲になりました。

第1楽章 Moveは、最初に書いた音楽で、様々な動きの力感、変化を表現しました。

第2楽章は、竹林の諸相と名付けた一種の変奏曲です。無調に近い書法で書いてあったのですが、調性感を加えつつ、大幅な修正を加えました。

第3楽章は極めて日本的な表現を目指したもので、日本の民族的な舞を表現しようとしたものです。

フーガをはずしたことで、日本の伝統的な音の世界とのつながりが深まった気がしていますが、曲としてのまとまりもすっきりしたように思います。

このコンサートでは、バルトークとカフカと日本舞踊のコラボが演じられるとのこと。ものすごい意欲的なプログラム。企画の凄さに敬服するとともに、そこに連なることが出来たことに、とてもうれしく思っています。

福富さんが引き合わせてくれたみたいに思えた才能によって、新しくなったこの3楽章が、松本紘佳さんの手によってお聞きいただけることに、今はただただ感謝しています。

ぜひ多くの方のお越しをお待ちしております。