徳備 康純作曲 「雨のかほり」

小さな手のための八つの小品(2020) 第6曲

2020年7月4日、ソプラノの佐々木寿子さんとピアノの佐藤慈成さんによるネット・ライブ「七夕・星降る夜のミニコンサート」にて収録

組曲「紺碧の海へ」

6. Feb. /2020 東京日暮里サニー・ホール
トリオ・ミストラル
岩佐和弘(​ flute),  桜田昌子(oboe), 藤田旬 (fagotto)
 with 三上 亮(violin)

楽譜はスコア・パート譜のセット(5,000円税込)にて販売中です。右のボタンを押して、メールにてお申し込み下さい。

 この作品は、神戸フィルのフルート奏者、久保田さんの委嘱により、2014年に作曲したものです。
 阪神淡路大震災の20周年を機に、2011年の3月に起こった東日本大震災の復興を祈って作曲しました。
 15分ほどの曲をということで、このバスのいないトリオを依頼されたものです。
 翌年1月17日に行われたコンサートでは、ソロからデュオ、そしてトリオ、クァルテット、次第に編成 が増え、人々が久保田さんを中心に集まって来る、そんなプログラムでこの作品は一部の最後で演奏され ました。
 久保田さん自身が被災を乗り越え、苦学しつつも周りの人たちの励ましの中から、フルーティストとし て生きて行く、そんな彼女に素晴らしい人柄を投影しているように思います。
 また、神戸フィルとしても、彼女を中心に東日本大震災の被災者への支援を積極的に行っている久保田 さんの思いを受け止めた結果、私にとってもこの作品は特別な音楽になったと思います。  
 全4曲のテーマは全て七度の音程をベースとして作ってあります。四度の累積は私にとって永遠への憧 憬のようなもので、永遠は「天国」、あるいは神と考えても良いかも知れません。その四度を重ねた伴奏 の上に古典的な旋法を用いた前奏曲は、アタッカで第2曲へと繋がり、終わりません。
 第2曲は「風に舞う花」です。
 東日本大震災の映像で、何が恐ろしかったかと言えば、あの津波です。雪が舞う中、あの黒い壁のよう な押し寄せてくる映像は強烈でした。スペクタクルな描写を行ったところで何になるでしょう。ともかく、 トリオでそんな描写は無理です。
 私はあの時の冷たい雪を花に置き換えました。悲しみや辛さに捕らわれずに生きよう…などと、エラソー なことを言うつもりは毛頭ありません。  ただただ、あの冷たい雪がせめて花吹雪であれば良かったのにという、私の幻想です。
 それを、何度も何度も繰り返し続けるリズムに乗せて…。 第3曲以降は別の機会にまた演奏されるとのことです。

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